十六 × 二十

本について。時々他のネタも。心臓が悪いのでコメント不可です…

駄弁が楽しい西洋の宗教伝説のイメージ事典

シミルボン投稿日 2021.05.04

(シミルボンのお題「本を読む気がしない時に読む本」に投稿)

ヨセフスの翻訳でお馴染み秦先生はお茶目な性格なのだろう。文庫オリジナル編集のこの三冊には、宗教へのおちょくりが満載。銀座千疋屋とか援助交際とかとんがりコーンとかの無粋な現代日本語が、たくさん散りばめられていて、読者を呆れさせる。でも、そんなおちゃらけを入れたくなるほど、形骸化した宗教って出鱈目このうえない。
積み上げるほどに余計なものが付き纏い、やがて身動きが取れなくなる。それは古い宗教も新しい宗教も同じこと。そこから自由になることが第一歩。信じることって一瞬にしか存在しない、と思うのだ。
その一瞬を得るために秦先生はふざけているのだろう。そんな態度は実は非常に真面目で、だから好感が持てる。


本書で残念なのは、画家の原語表記が無いこと。Web検索する時にやや不便。でも日本語Wikiに出てくるような画家たちなので、(そして最近の曖昧検索は結構優秀なので)あんまり困らないかも。こーゆー本は電子書籍Web連動した方が見やすいなあ、と思った。やはり絵は大きな画面でカラーで見たいよね。


そして、この三冊を読んでたら、そこかしこに引用されてる

黄金伝説 2 (平凡社ライブラリー)

黄金伝説3 (平凡社ライブラリー)

黄金伝説4 (平凡社ライブラリー)

全四巻が欲しくなるはず。この本、内容がぶっ飛んでるから、伝説やファンタジー好きには堪らない。
まあ西洋好きなら知ってて損は絶対に無いキリスト教の基礎知識が手軽に得られる。そして宗教の本質もわかるはず。
仏教やヒンズー教でも、こんな図像満載の本があると良いなあ。イスラム教は偶像禁止がキツいので無理なんだが