十六 × 二十

本について。時々他のネタも。心臓が悪いのでコメント不可です…

ガウが受け取ったコイン

 

私のミステリ書評はWeb「ミステリの祭典」ミステリの採点&書評サイトで存分に書いてるので、ペリー・メイスン以外はシミルボンに書く予定は無い。興味を持たれた方は、そのサイトを参照いただければ幸いです。
でも、そちらはテキスト・オンリーなので、画像を貼りたいな、と思うときがある。こっちのサイトでは色々貼れるので、傑作短篇集『ブラウン神父の童心』から小ネタを1個だけご紹介。
短篇「イズレイル・ガウの誉れ」(初出Saturday Evening Post1911-3-25)の登場人物ガウさんがコインを受け取る場面がある。いつの話か不明なのでざっくり1850年の英国消費者物価指数基準で以下を計算。
ファージング銅貨(farthing=1/4pence=1/960pound、重さ4.9g 直径22mm 現在価値19)を貰うはずが、間違えてソブリン金貨(Sovereign=£1、重さ8g 直径22mm 現在価値18千円)がガウさんの手元に

 

写真はいずれも1850年のコイン。上がファージング銅貨、下がソブリン金貨。当時の英国コインには額面が書いてない。表(女王の横顔と文字)は全てのコインで共通。表だけ見たら、この二つは直径も同じなので、間違えても止むなしかも。そして、1860年以降ファージング貨は重さ2.9g 直径20mmに変わったので、ガウさんが間違えてコインを貰った話はそれ以前の出来事ではないか、と思ったのです。意外なところに年代推定のヒントがあった!という訳で発見した時は嬉しかったなあ
こーゆートリビア中心に色々語っています
(
私の『ブラウン神父の童心』の書評は『ミステリの祭典』をご覧ください。マーチン・ガードナーも登場してますよ!)

手っ取り早くググるなら

弾十六 ファージング ブラウン神父の童心 site:mystery-reviews.com

2020.07.31(シミルボン公開)