十六 × 二十

本について。時々他のネタも。心臓が悪いのでコメント不可です…

趣味って何?

と聞かれたら困るんですよ。人には言いづらい趣味なので

トクサツガガガ」の主人公かのちんの気持ちが良くわかる。
でも本やレコード・CDをたくさん持ってて、読んだり聴いたりしてるけど、
趣味は「読書・音楽鑑賞」
とは言いたく無い。だってどちらも生きる糧じゃあないですか。ご飯や炭酸水と一緒。(←面倒くさい奴だ)
というわけで、銃・砲が大好きな弾十六です。

退院後に始まった趣味で、まー死ぬ前になんかしたいよね、ってのがこじれてこうなったのかな?だから5年程度。キャリア的にはニワカ者です。ガンマニアって映画にチラッと銃が出てきたら、
「ここでパイソンじゃ時代が違うよ
とか一瞬で種類を見抜き、蘊蓄を垂れるイメージ(諸先輩方、失礼!)
まあパイソンぐらいなら私程度のニワカモンにもわかるくらい特徴がはっきりしてるが、コンバットマグナム(M19)とミリタリー&ポリス(M10)の違いなんてパッと見にはわからない。(ノーマルKKターゲットの違いもわからんのか!と怒られそう) まだまだ道のりは遠い…(←何の?) でもSAA(一般的にピースメーカーと呼ばれるヤツね)が堂々と南北戦争の映画に登場したら「あり得ねー!」って怒るよ。(←やっぱりメンドくさい奴だからほっとこう)
さて本書は銃じゃなくてタマ(本書の表現では「弾薬」)が主役。
考えてみれば、銃なんてタマを撃ち出す機械だ。相手に致命傷を与えるのはタマである。タマがロケットとすれば銃は発射台、本当に重要なのはタマであって銃や大砲は付属物に過ぎないのだ。
この事典には拳銃から発射出来る270種類のタマを網羅。試作に終わっただけのタマなんてのも含まれておりマニアも納得(多分、カートリッジ式のタマは網羅している。ここに出てないのはよっぽどレアものだ)。何せ著者は日本における銃研究の最重鎮、床井雅美さんだもの。全ページカラーで掲載されてる美麗写真はお馴染み名コンビ神保照史さん。全てのタマの原寸大、拡大、ヘッドスタンプ(タマのお尻に書いてある種類、メーカーなどを表す記号)の写真がついてるので資料価値が非常に高いし、眺めるだけでニヤニヤしちゃう。(ということは床井さんは全部のタマを所有してるってことか?)
スペック・データとして弾頭及び薬莢の長さ、重さ、それに初速、初活力が記され、マニアックな短い解説がつく(初心者ポカンな部分多し)。参考に使用銃の写真がついてるのも嬉しい。
唯一の欠点は原綴りが載ってないこと。「38S&Wセルフ・リュブリケート」ってどう綴るの、って考えちゃいますよね?(正解はlubricaterubricateではない)
インチ表示、ミリ表示の索引が完備されてるので、口径さえわかれば、該当ページを見つけることが出来る。(ただし「38口径」は実は.36インチ弱という例もままあるので、実口径だけが手掛かりだと見つけにくい)
この事典、奥付けに「ピストル弾薬事典(弾薬vol.1)」って書いてある。vol.2はライフルなどの小銃編だと思うので、ぜひ出して欲しい!だから皆さまもこれを買って応援して欲しい!(←マニア以外誰が買うかっ!)

2020.07.19(シミルボン掲載)