帯によるとバッハ事典として世界初、らしい。項目約700。人名、地名、曲名、音楽用語、伝記(当時の思潮、教会関係)、バッハ研究を収録。
こちらはバッハの現存する全作品(断片含む)を中心に、偽作、バッハが収集していた他の作曲家の作品、バッハ時代の楽器や演奏、関連人名、文献資料について記載。楽曲解説は詳細で、BWV順に作曲の時期、編成、演奏時間、歌詞の出典などを記載。
さらに白水社の『バッハ叢書 別巻2 バッハ作品総目録』があれば鬼に金棒だが、私は未所持。(定価45000円ですぜ…)
バッハとの出会いはこの本。
(私が買って読んだのは旧版だが…)
この本のバッハ像はごく一部を(わざとこの本の趣旨に合うように)誇張したものだが、とても興味がそそられ、それからレコード屋を回る日々。
江古田の古レコ屋で買ったレオンハルトの『フーガの技法』を聴いてから古楽沼にどっぷりハマりました…
まあそれはともかくバッハ名盤三枚限定!を書いときます。
・Gustav Leonhardt演奏 Die Kunst der Fuge (1969年録音)
・Karl Richter指揮 Magnificat BWV243 (1962年録音)
・Gustav Leonhardt指揮 Brandenburgische Konzerte (1976-1977年録音)
録音が古いのばかりですが…
バッハの特徴は美しい官能的とも言えるメロディと厳格な音のルール(和声)に基づいた数学的な進行。作品はバラエティに富んでおり、オルガン曲、チェンバロ曲、器楽合奏曲、声楽曲は宗教音楽からミニオペラまで。宗教音楽といっても歌詞以外は世俗風で、決して堅苦しいものでは無い。安らかな死を望むカンタータBWV82「われは満ちたれり」なんて熱烈なラヴソングだ。(キリスト教的にはイエスのもとに逝けるのだから自死以外の死は喜ばしいことらしい)
最近の録音ならTon Koopmanが関与していればハズレは無い。(まあこれは好みの問題ですね)
歌手は古い録音の方が揃っている気がする…(特にリヒターの60年代初頭以前がお薦め)
騙された、と思って聴いていただければ幸いです。
2020.07.19(シミルボン掲載)