私はグレアム・グリーンの良い読者ではない。
皆さんと同様、映画『第三の男』(1949)の素晴らしさで、原作者グリーンを知りました。
少し前に、長編小説出版第一作『もうひとりの自分』(1929)を読んで、ああ、グリーンさんは逃げがちな人生だったのだな、と思った。
最初から誰かに追われている主人公、何故?どんな奴に?という謎と、主人公がどういう男で、途上で知り合った女がどういうヒトなのか、がわかってゆく作品。とっても面白かった。
まあ壊れたところもあるのだけれど、欠陥のない作品なんてないし、作者本人も再出版時に手を入れようか?と思ったけど、やってみると若気の至りが消えてつまんなくなっちゃった、だから一言一句変えなかったよ、といっている。そういう若さの勢いを感じさせる良い作品。
私は↓の翻訳で読みました。
手に入れやすいのは早川のやつかな?
私のちょっと詳しい感想はこちら
ミステリの祭典:グリーン『もうひとりの自分』