十六 × 二十

本について。時々他のネタも。心臓が悪いのでコメント不可です…

元号と西暦の変換が面倒!だけど、無くなったら寂しいよね

 

 

鷗外最後の作品。大化に始まり大正までの日本における元号
①在位中の天皇
改元の日付
改元の理由
元号の提案者
元号の典拠となった書物など、その該当箇所
改元時に提案された新元号の別案、その典拠や提案者など
を簡潔な記述で、年代順にまとめた一覧。(結局、鷗外の死で未完に終わったが部下の吉田増蔵が補訂し完成させたもの(1926年刊)を収録。当初のタイトルは『元号考』)
索引がついて無いので、一生懸命に探さなくちゃいけないが、「明治」は室町時代にすでに候補にあがっていたようだ。(「平成」は江戸時代から)
行き届いた解説(猪瀬直樹)によると鷗外は、アジア諸国元号を含む一覧(『年号索引』)を用意していたが、こちらは未完成で未発表?のようだ。(「明治」には南詔(現在の雲南地方の王国)の使用例あり、とか) それ欲しい!(岩波『日本史辞典』巻末付録の「東アジア年号対照表」は非常に良い仕事だが外国の元号名は索引にも出てこない…南詔の「明治」も探せなかった…)

 

本書の記載はほぼ漢文(読み下し等なし)なので、ちょっと読みにくいが漢字が読めれば意味はわかる。改元理由の例を挙げると「為天変地妖兵革改元」などという文体。

kindle版も用意されており、そっちなら検索出来るのじゃ?…と今思いついた。多分私はkindle版を索引として買っちゃいそうです…

無味乾燥な一覧だけど、そこがスルメ味。辞書好きならわかりますよね?事務作業にとって元号は敵ですが、文化遺産としては残したい。いずれ旧漢字みたいな扱いになっちゃうのでしょうか…

 

※ 私は元号・西暦変換に明治1867、大正1911、昭和1925、平成1988、令和2018を使っています。結構知らない人が多いのが意外ですが… (使用例: 明治30年生まれの人が昭和39年には何歳?答え:(1925+39)-(1867+30)=67、誕生日が来て67歳)

2020.07.11(シミルボン公開)