十六 × 二十

本について。時々他のネタも。心臓が悪いのでコメント不可です…

古典はファスト形式で良いのかな

2023-8-12はてブ公開

久しぶりに実家の書庫で見つけた本。

書店で出会ってすぐ購入したので多分1999年に手に入れたもの。

当時はバルザックを少しずつ読む時の参考に、と思ったはずだが、それ以来一ミリもバルザックは読んでいない。

 

あらためて中身を見ると、新プレイヤード版を元に九十篇の「人間喜劇」を構成する小説やエッセイの要約を四六変形版二段組423ページに詰め込んだ奇書。要約担当は大矢タカヤス、奥田恭士、片桐祐、佐野栄一で、全体統一は大矢がはかった。誰が何を担当したかは明記されていない。古めのイラストが入っていて、それを見ているだけでも楽しい。

私はあらすじすらネタバレだと思うので、やはりこう言う本は全く読む気がしない。でも今更「人間喜劇」に挑戦するかなあ…

バルザックの構想では全137篇。現存する90篇には二千人以上の人物が描かれ、そのうち三つ以上の作品に登場するのは314人とのこと。

まあ古典作品はシェークスピアとか歌舞伎とかで案内と称して全作品のあらすじ紹介、みたいなのがあるけど、あれってどう言う需要なんだろう。手っ取り早く教養を身につけたい、といういじましさやあさましさしか感じないんだが…

一時期ファスト・ムービーが流行したが、現代では最早消費が追いつかない、ということなんだろう。そんな形でのエンタメ消費って楽しい? 「私はハリー・ポッター観たことありません」でいいじゃん。