十六 × 二十

本について。時々他のネタも。心臓が悪いのでコメント不可です…

胡散臭いけど騙されてみて

シミルボン投稿日 2020.08.02

自己分析って難しい。やっぱり自分を客観的には見られない。この本は占い本(動物占いみたいなの)と似てるけど全く違う。動物占いとかは機械的に生年月日とかで決まるんだが、これはまず簡単な設問(チェックリスト)に答えて、自分が何タイプ(大雑把に八つに分類)に該当するか、自己判断するもの。(遠隔操作された精神分析みたいなものだ)
奇妙な質問もある。

キャラ1うたた寝をするとき、上を向くほうが楽だ」
キャラ2「彩りの悪い食事は嫌い」
キャラ3「細身だが、怒り肩に見える」
キャラ4「見た目に似合わず、疲れるとすぐ風邪をひく」
キャラ5「お尻が意外に薄っぺらい」
キャラ6「太くて低めのいい声をしている」
キャラ7「ひざ下よりもひざ上が長い」
キャラ8「かかとを地面につけてしゃがめない。あるいはしゃがむと苦しい」


キャラごとに12問、全部で96問が用意され、チェック数が一番多いキャラと、二番目に多いキャラが自分の主要キャラ、という次第。(もちろん、性格判断的な質問もたっぷりあるので安心してください)
自分のキャラが見つかったら、そのキャラのページで恋愛、ファッション、結婚・子育て、モノへのこだわり、金銭感覚、職業、傾向と対策、闇キャラという項目について、名越先生の分析を読むことが出来る。ピンと来て腑に落ちれば良いなあ。(私はかなり納得のゆく結果だった)
著者の名越先生のことは、武術家甲野善紀先生のブログで知った。なので結構無条件に信頼してる(甲野先生は、みやわき心太郎さんが描いた漫画がきっかけで知った。それ以来の付き合いだ。もちろん本の上でだが)。その後、テレビでも活躍を見るようになり、初期グータンなどは毎回見てた。その関係でおちまさとさんがプロデュースして、この本が誕生したようだ。
精神分析なんかで高いお金を払わなきゃ得られない助言が、こんなに安く簡単に手に入る。まずは自己を知る、 というのが全ての理解の基本だ。自分探しは、構えて偽っちゃうことも多いが、この本の手法は、結構、正直になれる良い方法だと思う。名越先生の助言には、思わぬ発見があるかも。
(
これ科学的?まあ一応検証可能な方法だろう。もちろん、本格的な分析は面談必須だろうが、この本でもヒントは十分得られると思う)
十数年前に札幌で名越先生の講演を聴いた。その時は仏教に惹かれている、と話していた。講演の内容は余り覚えていないが「赤ちゃんは満たされないと怒って意思を伝えるしかない。それが有効だからますます怒る。怒って自分の意志を伝えるのが癖になってしまったら、その先の人生は不幸ですよね」というのは強烈に覚えている。
だから人は満たされないと必ず怒っちゃう。じゃあ、どうすれば?というのは全く覚えていない。まーそこら辺は仏教心理学に書いてあるんでしょうね。

この本は読んでないけど、タイトルがますます胡散臭い。でも私はとっても信頼してるんだ…(読んでないけど)

さて、くどくど小噺だ。今回のテーマは矛盾。細かいところをぐりぐりグラグラとつつきます

「かんぴし読んだ」可愛い声だが油断は禁物。
「でもわかんない。矛盾してんの、これ?」私に挑戦してくる。
だが、これなら楽勝だ。「バリバリ矛盾してるだろ。絶対に貫かれない盾と絶対に貫く矛の戦いだぞ。両方が成立するのは不可能だ」
「でも最初に言うのは「私の盾は堅いので貫かれることはない」でしょ?」(吾盾之堅、莫能陥也)
「うむ」
「次が「私の矛は鋭いので貫かない物はない」これで良い?」(吾矛之利、於物無不陥也)
間違いなく原文通りだ。
「余計じゃない?堅いとか鋭いとか」
「ただの形容だよ。あってもなくても関係ないだろ?」
「違う!堅いから貫かれない、って現状を説明してんの。堅さが永遠に続くだとか、堅くなくなった時の保証なんてしてない。同じく、鋭くなくなったら貫けなくても仕方ない」
「うう」(確かに「盾が絶対貫かれない」とかは言ってないようだ…)
「だから、矛で盾を突っついて、どっちかが属性(堅さか鋭さ)を先に失ったら負けて当然。でしょ?全然ウソ言ってない」
私はため息をついた。よくそんなこと思いつくもんだ。「ホントは元々そーゆーネタだったのかもな伝承中に肝心の理屈が忘れられたのかも