写真は左上から順にベーブ・ルース、ミッキー・オーエン、ジョー・アドコック、タイ・カップ、ルー・ゲーリッグ、ボブ・フェラー
原著1960年刊行、Joseph L Reichler と Ben Olanの共著らしいのだが翻訳ではオーラン単独名義となっている。訳者あとがき等が一切ないので事情不明。二人ともスポーツ・ジャーナリストらしいのだが…
内容は大リーグの記録に残る100試合を1試合ごとにコメントした小文集。原綴なし、索引なしで、検索しにくいので事典とは言えないかも?だけど1950年代までの大リーグ伝説集と考えればコンパクトに纏まってるので、蘊蓄用にはこのくらいが良い。
「昔の大リーグには12回裏までパーフェクト試合だったのに負けたハディックス投手とか面白い記録があるんだよねー」(←薄い知識で知ったかぶりすんな!)
各試合のボックス・スコア(新聞とかに載ってる記録表)つき。1試合に1枚、関係写真が載ってる。有名選手はルー・ゲーリッグ(2試合)、テッド・ウイリアムズ(2試合)、ジョー・ディマジオ(3試合)、ベーブ・ルース(5試合)、ボブ・フェラー(4試合)、タイ・カップ(2試合)、などなど。馴染みのない名前も多いが、ネタは結構面白い。
日本版なら私は江夏を推す。
よく知られているのは日本野球史上に燦然と輝く「21球」とかオールスター1試合9三振とかだが、11回ノーヒットノーランを達成したが味方打線が点をとってくれないので自らサヨナラホームランでケリをつけた、とか、13回までほぼパーフェクト(被安打は2回に1つのみ、与四球0)にも関わらず(13回途中に心臓発作あり!)これまた貧打に泣かされ14回に点を取られ負け投手とか、とにかく凄い。王選手で年間最多三振記録をとるぞ!とタイ記録も王、新記録も王で見事目標を達成した(つまり他8人にはワザと三振させずに打ち取った)とか、36歳で日本球界を引退後、大リーグに挑戦して、ギリギリ開幕ロースターに残れなかった、というのもスゴイ話だと思う。
これは現代風にアレンジしてるけど、非常に面白いマンガ。伝説の片鱗が良く伝わってくる。こんな感じで江夏さん伝説もマンガにしてくれないかなあ…
2020.07.29(シミルボン公開)