シミルボン投稿日 2020.08.10
情報収集は大切、自分の周りを正確に把握するのは動物の基本行動だ。でもスキャンダルって何が魅力なんだろう?他人の不幸は蜜の味?教訓として?立派そうに見える人も一皮剥けば?劣情は人類共通の罪と納得?隠れたものは暴きたい?(スカートの中の劇場?) 知識欲?公共の利益?
見返しが銀紙で自分の顔が写りそう。
あっこれ、
「他人事じゃねーよ!オメーもだよ、自分のツラ拝んで反省せよ!」
という洒落た造りなんだろう。
中身はワイドショー的なネタのオンパレード。
嘘、イカサマ、偽善、過度の女好き、痴漢、レイプ、不倫、虚言、放蕩、盗聴…
ファッティ・アーバックル、ヴィクトリア女王、HGウェルズ、ウォーターゲート、MI5スパイ事件、カルロス・カスタネダ、E・ケネディ、カルロ・ジェズアルド、シュリーマン、シンプソン夫人、田中角栄(ロッキード)、トマス・チャタートン、ドレフュス、南海バブル、ハリウッド、プロフューモ、B・ラッセル、オスカー・ワイルドなど52事件を短くまとめている(完訳、原題Scandal! An Encyclopaedia 1986)。
こーゆー下劣な本にも手を出しちゃうところがコリン・ウィルソンの良い(?)ところ。英国って上品そうな人が殺人ミステリ好きだったりするから、なんとなく納得。王室スキャンダルだって容赦しないからなあ…
真実ってやっぱり知りたいし、力がある。「実際のところ、どうなのよ?」ってな情報ほど面白い。まあでも大掛かりにワイドショーで追求されるのは勘弁して欲しいかも。ひっそり囁かれる程度で良いんだが…
あっそうそう。ハリウッドといえば、ケネス・アンガーのこれ。
結構作者の妄想や創作が入ってるんだって? 若い頃読んですっかり信じちゃってたよ! ここで読んだのかどうか、本が倉庫から出てこないので確かめて無いけど(私は上巻のみ所有、下巻に解説で「これ事実かどうか不明だよ、要注意」とか書いてんのかなあ…)『市民ケーン』のRosebudなんて、あまりにピッタリなんで、イメージにこびりついちゃった。人前では真面目な顔して話せないネタ。(確かゴア・ヴィダル情報だったような…) 本当ならオーソン・ウェルズ極悪だ。知ってたけど。