シミルボン投稿日 2020.08.09
1936年、ジッド67歳。共産主義に未来があると思い、共感を示していたこの作家に旅への招待が届く。チョロい奴だと思われたのだろう。そーゆー軟弱な輩でないことは作品を読めば一目瞭然なんだが… まあともかく作家は見たことを正直に発表し、馬鹿なソ連かぶれから裏切り者扱いされる。(どこかの国でも某国は「地上の天国」とされてたよねえ)
1960年代後半の文化大革命でも似たようなことが起こった。素晴らしい革命が中国で、と夢中になった欧米の若者たちが大騒ぎ。世界中で学生運動、大学紛争が巻き起こったが、実際の文化大革命の内情は非人間的な酷いものだった。(そして理想を求めたはずの集団も醜く酷い結果に…)
そんなこんなで社会主義はバラ色ではないことが徐々に判り、1980年ポーランド、1989年ベルリンでとどめを刺された。
このグラフを見てほしい。(ピケティ関連。出典はグローバル連帯税フォーラム)
(画像は軽くするためワザとピンボケです)
何故急激に給与への分配が減ったのか?と考えると、社会主義という政治体制のライヴァルが色あせたからだと気づいた。
つまり革命なんて起こりっこない、って資本主義体制が安心したから、どんなに苛烈に貧乏人を虐めても大丈夫だ!ということだと思う。(多分、手取りベースで計算するともっと低いのでは? 税や社会保障の貧乏人負担率も増えてる気がする)
だから70年代以降は分配が減って大衆は常に不満だが、原因が良く判らない。資本家は理解してるのかも知れないが、もちろん可能な限りバレないように誤魔化している。トランプみたいなのが現れて「外人が君らの利益を掠め取ってるのだ!」とアジれば、大衆はすぐ信じてしまう。サンダースは(普通の庶民感覚なら)どう見ても時代遅れの社会主義者だし…
本当は金持ちが更に金持ちになってるんだから、敵は金持ちなんだが、金持ちに逆らうのは物凄く恐ろしい。じゃあ気に入らない弱い奴を叩け!という流れか。
だからやっぱり出発点はここだと思う。
まずは分配がおかしくなってることを幅広く知らしめ世界の常識とする。そして新たな均衡点を探る。
本気でそうなって欲しい。
もはやバラ色の楽園世界(実はウソ)なんて何処にもないのだから…