十六 × 二十

本について。時々他のネタも。心臓が悪いのでコメント不可です…

各エピソードを長めに収録してるので小噺風に読める

 

 

1990年代に再流行した手口。失業中だという身なりボロボロの男が安い食堂に来る。弱りきって三日も食べてないと言い、金はないが残飯で良いからどうか恵んでと言うので店主は同情してしまい、簡単な賄いを与える。必死にガツガツ食うボロ男を見て店主はちょっと良いことをした気分に。沢山のお礼を身振り手振りで言うボロ男、だがポケットからハンカチを取り出す時、小汚い小さく畳んだ札がポロリ。50ドル!店主は可愛さあまって憎さ百倍。札を奪い取るとボロ男にお釣り48ドル50セントを投げつける。

話のオチは銀行で偽札と判明。警察に訴えるも逮捕できない、と言われる。何故ならボロ男はその札を使おうとしたわけではない、店主が勝手に奪ったのだ…(「乞食の偽札」の項)
当時の50ドルは米国消費者物価指数基準1990/2020(1.97)当時の$1=現在212円で1万円だ。あー1万円なら逆上するかもね、となんか判る。それが詐欺師の手でもある。(もちろん身入りも多い)
私は人を騙すのが大好き。とは言っても脳内で妄想するだけだ。だって怒られんのやだもん。

 

この本も色んなイタズラの具体例を挙げてて、すんごく楽しいけど、米国人のイタズラってかなりやり過ぎだ。相手が本気で怒るようなことを奴らは平気でやる。(日本人の趣味に多分合わないので絶版中もやむなし。アマゾンで安い時に買うと良い)
さて『詐欺とペテンの大百科』の方は、結構長めに詐欺の手口を紹介してるのでかなり参考になる。翻訳がちょっとだけ固い、ややこなれてない文章だが、私には許容範囲だった。ただし索引なし、原綴りなしは全くいただけない。「コッコ袋」をさらに調べたい!と言う時にどうすれば?となっちゃう。
現代日本版が登場したら「オレオレ詐欺」「STAP(スタップ)細胞」は必須項目だろう。
内容を読むと、人間は古くからある似たような手口に結構引っかかってることがわかる。(オレオレ詐欺とか繰り返されるインチキ投資事件を思えば判るよね)
だから読んだら詐欺被害防止になる、と思いたいが、実際、目の前で真に迫って演じられたら信じちゃうのかなあ。(逆に犯罪者の素質がある人が読んだら、こちらは間違いなく被害が広まっちゃう、と言うのがヤなところだ)

2020.07.26(シミルボン公開)