十六 × 二十

本について。時々他のネタも。心臓が悪いのでコメント不可です…

太宰治原案「走れメロちゃん」アニメ版!高・ノユウチャン訳(オソマツ書房、2124年)

ノユウチャン星人、古くてわかりにくい作品を若者に理解いただくために素敵なアニメ翻案をお届けするチャン♪ 

 

メロちゃんはプンスカ。とってもとってもいたたまれない。最初の最初に、まあメロちゃんは噂を聞いただけなんだけど、なんだかひどく良くないらしいこの国のトップ、世襲が常に悪いとは言わないけど、代々この地域を管理監督しているというお方、頭の出来もどうやら悪いみたいだと、これまたネットの掲示板で読んだだけレベルの知識で、いきなり断定しちゃうのが、最近の若者よね。そいつを倒してあとはどうする、というビジョンすらないんだけど、とにかくプンスカなのでした。 

ロクな知識も知恵もないけど、まあだから、許さねえぞ、と心のネジが外れたら行き着くところまで行くのが羊たちと毎日遊んで暮らしてるメロちゃんの良いところ。笛だって吹けるのよ!と音楽には詳しい。と言っても作詞作曲が出来るわけでも無いんだけど。勝手気ままに歌って踊ってランランラン。わたし、悪いやつは許せない。プリキュアだって感情のおもむくままに悪いやつをやっつけて、それがスカッとするじゃん。悪いのは懲らしめなきゃ! 

朝イチでタルかったけど、ああ、朝といっても現代日本と違ってここは日の出後スグだからね。村と言っても現代日本と違って数軒の掘立小屋がちらほらじゃん。あるってあるって、歩くのは大好き。足腰がスラリとして痩せるし、隣のジョセタリーヌなんて毎日ノラクラ、出かける時は恋人におぶさってるから余計なところにお肉がタプタプ。まあフィリタリンはそこが可愛いって言ってるらしい。お前は骨と皮ばかりで胸がぺちゃんこで女としてのミリキがゼロだってさ。フン。大王、サダハル、アッチラ・ザ・フンをぶん殴る前にフィリタリンをヤっちゃおうか。 

十里離れている。この十里は上野樹里じゃ無くて栗より上手い十三里でも無くて、遠い遠い距離なんだけどー。普通の人なら2時間半。だけど当時、時計って全然正確じゃ無いし、昔の日本なら季節によって一時間の長さが違ったから、ギリシアでも多分そうだった。日の出から日の入りまで、それを12で割る。なるべく薄めないで。手っ取り早く酔っ払いたいし。 

ワタチ、親がいないのよ。夫もまださー。16歳の引きこもり弟がね。まあ親無しっ子って酷くいじめられんのさ。心折れるよ。弟はもう太陽を浴びないって。浴びないYouだよ。この音松におじきが縁談を持ってきてさ。強引なオジオジだよね。その子、働きものだって言うけど、どうなのかな?まあ見た感じは良さそうだったよ。飲んでみたけど楽しかったしさ。音松のどこがイイの?って聞いたら手がしっかりしてんのが好きだって。まあ好きならいいんじゃない。アタシにも早くいい男を見つけろよ、とオジオジをドヤしたさ。そしたら太れって。胸をタプタプさせろって。確かに音ヨメはミリキたっぷりだったけどさ。太るのヤダな。 

 

楽しいけど、疲れたのでもうやめる。ノユウチャン、これが君のスピリットだとおもうぞ。自分勝手にいじくり回すのは神になった気分だろうさ!わがままやるなら、少なくとも「翻訳」と名乗んなよ! 

 

<口直しに!>

メロスは激怒した。かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此のシラクスの市にやって来た。メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。この妹は、村の或る律気な一牧人を、近々、花婿として迎える事になっていた。

 

【追記2024-4-8 8:50】

ピアニストさんからいいねをもらったよ!翻訳も楽譜の解釈も同じですね!

素敵なヴァリエーションや「なんからに基づくピアノ曲」(ベートーヴェン魔笛に基づくヤツとか)という明確に明示された変奏や即興ならOKだけど、「バッハのゴルドベルクアリアを弾きますよ!」といってジミヘンの国家演奏風にバリバリやるのも、面白いけど、でもオリジナルを聴きたくなるよね!(スコット・ロスがオススメ。まあグールドも許すけど、あれは現代音楽風で18世紀の曲になっていない…)