十六 × 二十

本について。時々他のネタも。心臓が悪いのでコメント不可です…

バイブ翻訳: 解決、私もポーの謎を解く!

ポーのささやかな謎。前回はこちら。

実は正解はこうだと思うんだよ。
ホイルの原本A Short Treatise on the Game of Whist(1742)を見ると
「基本的laws」(14条)の他に
初心者などが上手にやるためのrules (初心者用37、その他8)
を書いてる。
ホイルのrulesの適訳は「コツ」ではないか。
ホイルのlawsが、今、普通に言う「ルール」。

 

目次はこう。(なお、以下の翻訳はClaudeもので、手直ししていない)

計算 あなたのパートナーが特定のカードを1枚、2枚、または3枚持っている確率を示すことで、いかなる手札やゲームでも上手くプレーする方法を道徳的確実性をもって導く。 2ページ
ホイストのゲームにおける賭け金の運用に関する計算。 4ページ
ホイストのゲームのlaws。7ページ 
第一章 初心者が守るべき一般的なrules。11ページ
第二章 守るべき個別のrules。22ページ
第三章 学習者がゲームにある程度習熟した後にプレーすべき個別のゲームとそのプレー方法。25ページ
第四章 自分またはパートナーがプレーしたスートをパートナーがもう持っていないことが確認できる特定の観察を伴うゲーム。 32ページ
第五章 相手を欺き苦しめ、かつパートナーに自分のゲームを示すための個別のゲーム。35ページ (以下略)

その本文を見ると…

ホイストのlaws

第一条
もし誰かが順番を外れてカードを出した場合、相手方はそのディールの任意の時点でそのカードを要求する権利を持つ(ただし相手にリヴォークを犯させない場合に限る)。あるいはリードすべきプレーヤーが、パートナーに対して自分の望むスートを指名するよう要求することができる。

第二条
リヴォークの申告は、そのトリックが伏せられるまで、またはリヴォークを犯したプレーヤーもしくはそのパートナーが再びプレーするまで、行ってはならない。

第三条
リヴォークが発生した場合、相手方はスコアから3点を差し引くか、自分のスコアに3点を加えるか、相手のトリックを3つ取るかを選ぶことができる。リヴォークの罰則はゲームの他のいかなるスコアよりも優先される。

第四条
AとBが9対0の場合、次のディールで13トリックを4オナーで取った。Aがリヴォークした。問い、罰則は何か?
AとBは10点を記録し、相手方はスコアから3点を差し引く。AとBは7点のみとなる。

第五条
もし誰かがゲームの8点以外のいかなる時点でコールした場合、相手方は新たなディールを要求することができる。(以下略)

 

第一章 ホイストを始める人のための一般的なrules

I.
リードするときは、手札の中で最も強いスートから始めよ。キング・クイーン・ジャック、またはクイーン・ジャック・テンの連続札があれば、それは確実なリードであり、自分またはパートナーが他のスートでテナスを得ることに必ず役立つ。連続札の最も高い札から始めよ。ただし5枚持っている場合は最も低い札から始めよ(切り札は例外で、常に最も高い札から)。これはパートナーまたは相手の手からエースまたはキングを引き出すためであり、そうすることでスートに空きを作る。

II.
小さな切り札を5枚持ち、他のスートに良い札が一枚もない場合は、切り札を出し続けよ。これにより少なくともパートナーを最後のプレーヤーにするという好結果が得られ、パートナーにテナスを与えることができる。(以下略)

全然、体系的なモノじゃないけど、lawsが「ルール」で、rulesが「コツ」だと言うことが良くわかると思う。
ポーは当然ホイルを読んでいて、rules of Hoyleの意味は十分理解していたはずだ。

 

以上を踏まえたClaudeの翻訳。

 

注意深く観察することは、明確に記憶することである。その点までは、集中力のあるチェス指しもホイストで十分にやっていける。rules of Hoyleホイルのコツ(それ自体がゲームの単なる仕組みから導き出されるものだから)は、誰にでも十分に理解できるものだ。したがって、確かな記憶力を持ち、「教則本通りに」進めることが、良いプレーの総体として一般に見なされている。しかし、分析家の技量が発揮されるのは、ruleコツの及ばない領域においてである。彼は沈黙のうちに、無数の観察と推論を行う。

 

まだ、当時のコーパスを確認してないけど、ホイルのrulesの用法は、ホイル独自のもののような気がする。ホイルに変わってホイスト教則本となったCavendish On Whist(1862)を見たが、rulesは普通の「ルール」の意味で使っている。つまりホイルのlawsと同じ。
ホイルは他のゲーム、チェスなどの解説も書いているが、そこでもrulesは「コツ」の意味である。当時はゲーム界隈で、lawsとrulesの対比が成立していたのかも。

 

結論: 結局、誰もaccording to Hoyleしてなかったね!

 

私が違和感を感じて、ホイルの原本に当たったように思われるかもしれない。ポーの文章を読んで、なんだかごちゃついてるなあ、と思ったような気もするけど、私の動機はただ

あっホイルの書影見たことなかったなあ… 今ならGoogle playに登録されてるかも… あったあった… 

という流れで原本を見ただけ。
ついでに中身も見てみるか… えっ、何コレ!で今回の発見になっただけでした… チャンチャン。