十六 × 二十

本について。時々他のネタも。心臓が悪いのでコメント不可です…

バイブ翻訳: 私もポーの謎を解く!(問題篇)

 

この書籍と以下の文章に直接の関係はないです…

 

今回もai比較。既訳との差は出るか?なお既訳の翻訳者名は秘す。年代でバレるだろうけど。

【指示文(プロンプト)】


ポー『モルグ街の殺人』より。翻訳お願い。
To observe attentively is to remember distinctly; and, so far, the concentrative chess-player will do very well at whist; while the rules of Hoyle (themselves based upon the mere mechanism of the game) are sufficiently and generally comprehensible. Thus to have a retentive memory, and to proceed by “the book,” are points commonly regarded as the sum total of good playing. But it is in matters beyond the limits of mere rule that the skill of the analyst is evinced. He makes, in silence, a host of observations and inferences. 

何故、ここに注目したか?
(1) while the rules of Hoyle (themselves based upon the mere mechanism of the game) are sufficiently and generally comprehensible. ルールを完全に理解してないと、ゲームなんて出来ないと思うけど、この持ってまわった表現は何?
(2) it is in matters beyond the limits of mere rule ルールを越えちゃったら、別のゲームになっちゃうんじゃない?

さて、既訳とaiは、どう 処理してる/する、かな?

 

【A訳1933】
注意深く観察するということは明瞭に記憶することであって、そこまでなら集中力の優れたチェスの棋客もホイストを十分うまくやるだろうし、ホイルの法則だって(それがゲームの単なるメカニズムに基づいたものである以上)誰にでも十分に理解できるものなのだ。だから、よい記憶で、「方式」どおりにやるということが、うまく勝負をする秘訣だと一般に考えられている点である。ところが、分析家の腕の見せどころは、単なる法則の限界を越えたところにある。彼は黙っていながら多くの観察や推理をする。

 

【B訳2013】
たしかに、しっかり観察すれば鮮明な記憶が残るという限りでは、集中力にすぐれたチェスの棋士がホイストでも頑張れるだろう。またホイル氏によるトランプ教本を見ると、そもそもゲームの基本から説き起こしたようなものなので、一般人にもわかりやすく思われよう。そんなわけで、記憶力がよいこと、教科書どおりに進むことが、すなわち上手なことなのだ、と考えるのが常識になっている。しかし分析家の技量が発揮されるのは、法則を越えた領域だ。そういう達人はいつのまにか大量の観察と推論をこなしている。

 

【C訳2015】
注意深く観察するというのは、明瞭に記憶するということなのだ。そして、これまでのところ、集中力に富むチェス・プレイヤーはみな、ホイストでも好成績を収めている。いっぽう、エドモンド・ホイル卿が定めた室内遊戯の法則(それ自体が、まさにこのゲームのメカニズムに準拠するものだ)のほうは、十分かつ一般的にもわかりやすい。記憶力がよいばかりかルールを守ることができるという美徳には、ゲームで勝ち抜く秘訣が集約されている。ところがじつは、まさにそうしたルールの限界を超えた水準において、分析家は技量を発揮するのだ。分析家は沈黙を守りつつも、ありとあらゆる観察を成し推論を組み立てる。

 

【D訳2022】
注意深く見守るということは、しっかり覚えておくということだから、そのかぎりに於いては、集中力のあるチェス選手もホイストをじょうずにプレイできることになる。ホイストのルールブック(それ自体、ゲームの単なる仕組みに基づくもの)は一般に十分わかりやすい。従って、記憶力がよく、教則本どおりに進めさえすれば、じょうずなプレイができると一般に思われている。しかし、分析者の技が発揮されるのは、単なる規則を凌駕したところである。分析に長けた者は、黙って実にさまざまな観察と推察を行う。

 

ChatGPT(無課金)】
※ 文体はやや19世紀風寄り[とわざわざチャッピーが書いてきたよ…]
注意深く観察することは、明晰に記憶することである。したがって、集中力に富むチェスの名手は、ホイストにおいても十分に腕を発揮するだろう。ホイルの規則(それ自体、ゲームの単なる機械的仕組みに基づくもの)もまた、十分に、そして概して理解しうるものである。ゆえに、保持力のある記憶を備え、「定石」に従って進めることが、上手なプレイの総体であると一般には考えられている。しかし、分析家の技量が示されるのは、単なる規則の範囲を越えた事柄においてである。彼は沈黙のうちに、無数の観察と推論とを積み重ねるのである。

 

Gemini(無課金)】
※ 文脈の格調高さを活かしつつ、現代的な日本語で翻訳します。[こんな指示、してないのに…]
注意深く観察することは、鮮明に記憶することである。したがって、集中力の高いチェス・プレイヤーがホイスト(カードゲームの一種)を打てば、そこまでは非常にうまく立ち回るだろう。ホイストの教本であるホイルの規則(それ自体はゲームの単なる仕組みに基づいたものに過ぎない)は、十分に、かつ一般的に理解可能なものだからだ。ゆえに、記憶力が良いこと、そして『定石通り』に進めること。これらが一般的には『優れたプレイ』のすべてであると見なされている。しかし、分析者の手腕が発揮されるのは、単なる規則の限界を超えたところにあるのだ。彼は沈黙のうちに、膨大な数の観察と推論を積み重ねていくのである。

 

Grok(月5000円課金中)】
※ 自然で読みやすい日本語翻訳です。[何かひと言ないとすまないんだね]
注意深く観察することは、はっきりと思い出すことである。この点に関して言えば、集中力の高いチェスプレイヤーは whist(ホイスト)のゲームでもかなりうまくやっていけるだろう。ホイルのルール(それ自体はゲームの単なる仕組みに基づいたものに過ぎない)は、十分に、そして一般的に理解しやすいものだ。したがって、記憶力が良く、「本の通りに」進めることこそが、優れたプレイのすべてであると、一般的には考えられている。しかし、単なるルールの限界を超えたところにこそ、分析者の真の技量が発揮されるのだ。彼は沈黙のうちに、無数の観察と推論を行っている。

 

Claude(無課金)】
※ 無駄口なし!素晴らしい!
注意深く観察することは、明確に記憶することである。それゆえ、この点に限って言えば、集中力のあるチェス指しはホイストでも十分にやっていけるだろう。ホイル(その著書自体が、ゲームの単なる機械的仕組みに基づいている)の規則は、十分に、かつ一般的に理解可能なものだ。したがって、確かな記憶力を持ち、『定石通り』に進めることが、良いプレーの総体として一般に見なされている。しかし、分析家の技量が発揮されるのは、単なる規則の限界を超えた事柄においてである。分析家は沈黙のうちに、無数の観察と推論を行う。

 

【各翻訳者さまには聞けないけど、aiちゃんにはとことん聞ける。その反応】

 

ChatGPT(無課金)】
ここ、ポーの言い回しがちょっと意地悪で分かりにくい所です。ポイントは
「ホイルの規則は理解できる」=「ルールさえ覚えれば一応プレイは成立する」
という意味で、高度な知性を必要としない部分を指しています。(以下略)

 

Gemini(無課金)】
鋭い着眼点ですね!ポーがここで言いたいのは、「マニュアルを完璧に覚えているだけの人」と「真の天才(分析者)」の決定的な差についてです。(以下略)

 

Grok(月5000円課金中)】
いい質問だね。「単なるルールの限界」って部分、確かにちょっと抽象的で「変?」って感じるよね。
ポーの原文は “beyond the limits of mere rule” で、直訳すると「単なるルールの限界を超えたところ」みたいな意味。
ポーが言いたいことの核心
•  「単なるルール(mere rule)」 とは: ホイルのルールブックに書いてあるような、ゲームの基本的な仕組み・決まりごとのこと。 「こう動いたらこう返す」「このカードはこう扱う」みたいな、誰でも覚えられる機械的なルール。
•  その限界を超えたところ とは: ルールブックには一切書いてない、人間の観察力・洞察力・推論力が働く領域。 相手の表情の微妙な変化、カードを出すときの仕草、ちょっとしたためらいや視線、偶然こぼれた一言……そういった「ルール外」の細かい情報を、沈黙のうちに集めて読み取り、相手の手の内を推測していくこと。
要するに、
「本の通りにやるだけ(by the book)」は上級者でもできるけど、真の分析者(analyst)はルールを超えた「人間心理や状況の機微」を読む
という対比なんだ。(以下略)

 

Claude(無課金)】
鋭いご指摘です。整理してみます。
この段落の論理構造を追うと:
    1.    注意深い観察=明確な記憶
    2.    チェス強者はホイストでも「その程度のこと」はできる
    3.    ホイルの規則は「一般人でも十分理解できる」=敷居が低い
    4.    だから記憶力+規則通り、で「上手いプレー」と一般には思われている
    5.    しかし真の分析家の技量はそこから先にある
つまり “sufficiently and generally comprehensible” は「(誰でも)十分に理解できる程度のもの」という規則の平凡さ・単純さを言っているんですね。規則を知らないとゲームできない、という話ではなく、規則なんて大したものじゃないという含意です。
そして “beyond the limits of mere rule” も「規則を逸脱する」ではなく、「規則が届かない領域」=規則を完璧に守った上でなお生まれる、読み・推理・判断の次元のこと。(以下略)

 

こう言う各aiの肌あいの違いも、面白いね。
みんな、言いくるめられそうな論理を構成してるけど、本当にそうなのかなあ…

 

最初のwhile the rules of Hoyle
チェスプレイヤーも出来るよ、という文のすぐ後だから、内的論理はそこに繋がっていそう。
流れ的には、誰でもわかる理屈だから(チェス屋さんも)全然ついていけるよ!という感じに思った。でもルールってゲームの前提だからなあ… 括弧内も、基本ルールからルールが導ける、というような書き方に見えて冗長感がある。
次のbeyond the limits of mere rule
どのaiの回答も「単なるルールの限界を超える」という原文に近づけてない気がする。

 

実は私は正解(多分この解釈で良いはず)を知ってるんだよ!


答えは次回のブログで!

 

忘れてた!DeepLは、こんな感じ。


注意深く観察することは、はっきりと記憶することである。その点において、集中力のあるチェスプレイヤーはウィストでも十分に活躍できるだろう。また、ホイルのルール(それ自体がゲームの単なる仕組みに基づいている)は、概して十分に理解できるものである。したがって、記憶力が優れており、「ルール通り」にプレイすることは、一般的に優れたプレイのすべてであると見なされている。しかし、分析者の技量が発揮されるのは、単なるルールの枠を超えた領域においてである。彼は沈黙の中で、数多くの観察と推論を行っている。

 

たどたどしい。繋がりが悪いね。AI翻訳は着実に進化してるよ。

 

(つづく)

 

解決篇はこちら。

 

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